ATH-A2000X

僕が初めて買った高級ヘッドホンがA2000Xです。

Audio-technica固有のウイングサポートやメカメカしい見た目に憧憬を覚え当時は相当頑張って購入した覚えがあります。

見た目通り金属的な音、オーテクらしく女性ボーカルにフォーカスが合ったとても良いヘッドホンですね。

ちなみにヘッドホンブログをはじめてから最も写真に苦労したヘッドホンですw

ハウジングが鏡面仕上げというか、まんま鏡なので見出しの写真は部屋を真っ暗にした上でフラッシュを炊いて取りました。

ちなみに明るい部屋でそのまま取ると…。

こうなりますw

思いっきり手が映り込みますね。

当時、試聴もせず公式HP等の写真を見て「見た目が良い!」と購入したので実物を見て「鏡じゃん!?」とビックリしましたw

装着感=良(少しイジれば最高)

装着感はデフォルトの状態でも中々良いです。

数時間つけていても痛み等はありませんでした。

しかし少し気になる点があり、まず側圧がやや緩めな事。

そのため長時間つけていると少し耳の付け根に違和感がありますね。

本体が298gと高級ヘッドホンではかなり軽量な部類ですが側圧が緩いせいで付け根に負荷がかかりがちに感じます。

またデフォルトのイヤーパッドもクラリーノというランドセル等で採用される耐久性に優れた良い合皮を採用されていますが、ハイパーハイドローシス(汗っかき)の僕は蒸れを感じてしまい苦手ですね。

その一、側圧改善にはヘアゴムを使いました。

百均で購入したゴムの上に布が被せてある物ですね。

A2000Xに限らずウイングサポートを採用されたオーテクヘッドホンなら全て使えると思います。

普通の輪ゴムでも問題ありませんが、

・布ゴムのが耐久性が高く取り替える手間がない。

・自分で輪っかを作れるため側圧の強さを調節できる。

と良い点が多いので僕はヘアゴムを使っています。

その二、イヤーパッドの蒸れ対策には単純にサードパーティのイヤーパッドを購入しました。

写真の物はDEKONIのEPZ-ATHAD-FNSK

結構良いお値段がしますが本革はちゃんと手入れをすれば(濡れた時に放置しないくらい)合皮よりも圧倒的に耐久性が高く、穴の空いたメッシュレザーは通気性が良いためかなり快適ですね。

またクッションが若干薄く感じたため内側にはいつものトレーニングチューブを仕込んでいます。

これで耳付きも感じること無く快適に使えますね。

手持ちの密閉型で最も装着感に優れ、ある程度の遮音性も確保しているため、夏場にエアコンつけながらでも快適なリスニングを楽しめるのが最大のメリットに感じます。

音について

試聴は前述の装着感改善を施した状態、システムはPC→WATERFALL Integrated 250→AT-HA5000→ATH-A2000Xで聴いていきます。

システム詳細は画像クリックで拡大お願いします。

音は高音よりフラット、かなりフラットな帯域バランスですが環境によっては低音が弱くなりがち、購入当初はまだ「ヘッドホンアンプ?なにそれ?」な状態だったため今よりももっと高音よりでキツイ出音でしたね。

基本性能が高くシステムの変化に敏感なヘッドホンのため、アクセサリー系を追加する際はA2000Xで聴くと違いがわかりやすいです。

音質は良好、解像度が高くクッキリハッキリとして明瞭、オーテクらしい美音よりの真面目な音色。

性能面は特に音の分離が非常に良いのが印象的ですね。

加えて定位が明確で音場自体は普通~やや広め程度ですが、音に奥行きがありとても立体的に聴こえます。

高域は細く硬い鳴り方でややドライな音色。

ドラムもシャッキリスカッと抜けて良いですが、チタンハウジングの癖なのか中高音のアタックが強く、その上のシンバルの余韻等チンッと聴こえる音がシャンッて感じの鳴り方に聴こえますね。

中高音の硬さが良い方向へ作用するピアノやトライアングル、ウィンドチャイムまたはスレイベル等がアクセントで使われている曲には音色が映えて楽しいです。

中域はボーカルが近くA2000Xの音色で最もオーテクらしさが出ている部分はこの帯域ですね。

高域に引っ張られて高く明るい、柔らかい音でとても透明感があり女性ボーカルが実に生々しい。

特に声が近く聴こえるのが曲によって間近で囁かれているようで官能的。

音自体に特段色気や艶を付帯するような癖は感じませんが、距離感と情報量でボーカルが非常に魅力的に聴こえますね。

GRADO系のヘッドホンとはまた違う魅力を持ったボーカルホンと感じます。

低域はやや弱め、現在のシステムではそこそこちゃんと鳴るものの圧力や力強さはそうゆうのが得意なE9やシグDJ、DX1000と比べると弱い。

A2000Xの低音は飽くまで下支え、音楽としての雰囲気を盛り上げる低音で、先に上げた機種のようにそれだけで主役として聴くにはやや迫力に欠けますね。

締りは良好、高音ほどではありませんが見通しも良く質は十分 、張りがありキレも中々、レンジも広くかなり下の方まで鳴っています。

 

総評ART MONITORシリーズらしい脚色が少なく分離の良い高性能な音のヘッドホン。

ほとんどのソースを80点程度で不満なく聴け、ハマるソースでは100点以上で鳴らす楽しいヘッドホン。

A2000Xで聴くソプラノ女性ボーカルはとても聴き応えがあり、透明感が癖になりますねぇ。

 

合う曲はこんなのかな。

低音楽器が主体の曲がやや苦手かなぁくらいでオールマイティになんでも鳴らせるヘッドホンと思いますね。