オーディオ環境が色々変わったため、初期と比べて出音もかなり変化しました。
システムの音は出口(スピーカーないしヘッドホン等)なくして判別不能なため、今回はADX5000を通して現在のオーディオシステム全体の出音を聴いていきます。
今回の記事は備忘録的側面が強く、DACやヘッドホンアンプのレビューのみならず、RCAケーブルやら電源ケーブル、コンセントなどオカルト的なところの音質変化についても僕が感じたまま書いていきます。
かなりニッチな内容になるため興味の無い人、ケーブルやコンセントで音は変わらない派はスルーして下さい。
イヤーパッドについて
先に取り回し面で一つだけ変化がありイヤーパッドをdekoniのEPZ-TH900-FNSKに換装しました。
デフォルトのアルカンターラパッドは非常に音抜けが良く、ヘッドホンを付けてることを意識させないような自然な音でした。
対してこちらのレザーパッドは低音の量は変わらないものの、アタック感が増し音がやや硬質に変化する傾向。
ADX5000らしさで言えばアルカンターラパッドですが、レザーパッドだとテクノ系、打ち込み系の聴き応えが良く、好みだったため現在はこちらを付けています。
DAC/HPAについて
システムの根幹であるDACは逢瀬 Waterfall Integrated 250(以下WF250)です。
逢瀬と言う名前から分かる通り純国産のガレージメーカーの製品で2018年か19年のヘッドホン祭で試聴して購入を決めました。
音は非常に高解像度で分離と定位が良く、音場の広い、そして脚色の無さが最大の特徴と思います。
いわゆる分離の良いDACは音の輪郭がキツく聴きにくい音だったり、低音の薄いスカスカした音が多いですが、WF250は圧倒的な基礎性能を持ちながらフラットかつ強調の無い自然な聴きやすい音で特徴と言える程の強い個性がありません。
基本的に開放的な明るい音色ながら繋ぐケーブルやアクセサリの音色をストレートに出すため間にWF250が介在していることを感じさせない、繋いだ機器の性能を引き出す事が特徴と言えるようなDACと思います。
ヘッドホンアンプはAudioDesign DCHP-100、こちらも純国産のガレージメーカーかつ無色透明と言われるヘッドホンアンプ。
WF250と比べると色を感じさせ、肉感的なふくよかな音色です。
帯域バランスは少し低音寄りのフラット、ワイドレンジで音像が大きくスケール感が豊か、情報量が多く濃いウォームな音調です。
こちらは通常のガラス管ヒューズからFURUTECHのオーディオ用セラミックヒューズへ換装してあり、デフォルトよりもハイが伸びてやや引き締まった音色になりました。
アクセサリ・システムについて
ここからはケーブルやコンセントでの音質変化を書いていきます。
(※インシュレーター等、その他のアクセサリも含めると長くなりすぎるのでそれはまた気が向いたら。)
電源ケーブルやコンセントをとっかえひっかえしながら音楽を聴いている可笑しな人という自覚はあるので理解できない人は無理して読まない事をオススメいたしますw
オーディオ機器側
※システムの経路図をちゃんと見たい方はいつも通り画像クリックで拡大して下さい。
・FURUTECH:GTX-S(G)
壁コンセント、非常にワイドレンジかつキレも良い音、癖が少ない鳴り方で使いやすいコンセント。
重低音の鳴り方が良くズシッと空気の震えが伝わる。
低音寄りの帯域バランスで密度の濃い骨格のシッカリした音。
・PAD:CryoMag-SSD2
重鉄タップのコンセント、独特な広がりのある鳴り方に特徴のあるコンセント。
このコンセントにオーディオ機器を繋ぐと音の奥行きが増し空間に広がりが出ます。
前回のレビューから一つ位置を下流に下げた事でより立体感が出た。
直繋ぎは癖が出すぎてダメ。
・Shunyata Research:HYDRA Model-4
クリーン電源、分離や立体感の向上は目覚ましいですが音色としては特徴的な物は余り感じず、縁の下の力持ち的存在。
少ししっとりした触感や滑らかな質感を感じるが、全体の邪魔をせずシステムレベルを引き上げてくれる。
・CHIKUMA:PULSANT6Ⅱ
オーディオ機器側の電源タップ、ダイナミックレンジが広がり音が引き締まる。
清涼感を感じるようなスッキリとした音色で透明感と繊細さが増す、音場も立体的に広がり音が整うような印象。
コンセントは二箇所入れ替えていますがデフォルトのコンセントも中々滑らかな音で良い。
・Synergistic Research:Resolution Reference MK2 MASTER COUPLER
HYDRAとPULSANTを繋ぐケーブル、Synergistic Researchのケーブルですが初期型のためアクティブシールド(※搭載製品で後述)は非搭載。
音はキレが良く迫力のある低音が特徴、分離と情報量のバランスが良くやや寒色よりの温度感。
レンジが広く量感に溢れながら密度とスピード感を両立した音。
・OYAIDE:R0
WF250側のコンセント、ドライ&ウォームな音、迫力のある中低音と粒立ちの良い高音。
コントラストの強い音色で中低音の量の割に高音も抜けが良くパンチの効いた音。
※タップから取り外さないと外観がわからないため元箱画像、R1も同様の見た目のためコチラに記載。
・Synergistic Research:Designers Reference X2 AC MASTER COUPLER
WF250の電源ケーブル、こちらはSynergistic Researchの特有のアクティブシールド(以下AS)を搭載したモデル。
ASは電源ケーブル皮膜にバイアスをかける事で外部ノイズをシャットアウト、音質低下を防ぐ構造、AS用の電源アダプタを繋ぐとランプが青く光り音もかなり変化します。
AS,OFF/量感に溢れる音調で音像型な鳴り方、音の勢い迫力に優れる。
AS,ON/にすると音像がギュッと引き締まり音場型な鳴り方へ変化、分離が増し定位がハッキリする。
またASの電源をどこで取るかでも音がかなり変わり家の場合、壁コンセント直は高音が乾いて音場がのっぺり死んでしまう。
CHIKUMAのタップから電源を取ると一番良いようで音の広がりと繊細さが増す。
ワイドレンジで高性能、癖がなくどこでも使いやすいケーブル。
WF250をパワーアンプで使った際にマルチョウのラダーケーブルと比較して馬力が上がったような力感のある低域が良い。
・JODELICA:The Sound Source Ⅱ
DCHP-100側のコンセント、情報量の多い滑らかで落ち着いた音、中古が安かったから試しに買ったけどキレに欠けメリハリも弱く余り好きじゃない。
現状の組み合わせだと一番良かったから使ってるけどそのうちGTX-D NCFとかにする予定。
・CHIKUMA:Tuneful AC
DCHP-100の電源ケーブル、寒色寄り、清潔感を感じる澄んだ音になるのが特徴、明るく締りの良い少し硬質な傾向の音を鳴らしながらとても繊細で華やか。
ダイナミックレンジ自体は普通ながら低音も力強く張りの良い音色、歪が減り大音量でも音に破綻が無く耳に負担を感じない。
物量投入系の高級ケーブルがパワーを求めて修行しているなら、CHIKUMAのケーブルは超サイヤ人状態で平常心を保てる修行をした悟空的方向性を狙ったケーブルと思いますw
・Synergistic Research:TESLA ACCELERATOR RCA
WF250とDCHP-100を繋ぐケーブル、低音寄りのドライ&ソリッドな音、ASはCHIKUMAのタップに接続。
高音はモニター的なサッパリとした音で分離に優れ、抜けが良く付帯音が少ない。
音場も広く立体的、低音は密度があり硬くキレが良い、弾むような質で躍動感があり元気の良い音。
PC側
※システムの経路図をちゃんと見たい方はいつも通り画像クリックで拡大して下さい。
・FURUTECH:GTX-S(R)
PC側の壁コンセント、最上流に位置していながら音色が出音に濃く出ていて驚く。
レンジが広く非常にキレの良い力強い音、圧倒的なキレの良さを持つタイトな低音が特徴、音楽のテンポが早く聴こえる。
ハイも静かな鳴り方でいわゆるロジウム臭さが無くまるで機器のレベルが上ったかのよう。
目が覚めるような溌剌とした音調の高解像度コンセント。
※劇薬注意w
・CSE:TX-2000(FURUTECHヒューズに換装)
クリーン電源、音が濃くなりグッと空気感が増す、粒立ちも良く力強い音色。
通常のヒューズからFURUTECHヒューズへ変更した事でやや解像度が高まり音が引き締まった印象。
・Shunyata Research:HYDRA Model-2
クリーン電源、TX-2000がトランス式、HYDRAはフィルター式でそれぞれ方式が異なる。
TX-2000は音の密度が濃くなるのが特徴だがHYDRAは音が広がり、立体的に聴こえるようになるのが特徴。
どちらもそれぞれの良さがあるけどHYDRAのが好みの変化でコスパがよく感じる。
・マルチョウエンジニアリング:LTC18-10A(プラグはETP-850CU&HPC-01F)
HYDRAとVALIANT6(電源タップ)を繋ぐ電源ケーブル、自然な広がりとスッキリ繊細な音で癖が無い音色。
高解像度かつ柔らかく締りの良い音、レンジの広さは普通だが横方向の音場が特に広く抑圧感が無い。
個人的にはヘッドホンリスニングには必須の一本、システムのどこかにコレがあると方チャンネルだけで音が鳴っている違和感が大幅に減退する。
Tuneful ACの性能を少し落として人間味を足したような音w
・CHIKUMA:VALIANT6
PULSANT6とほぼ同じ印象、コスパはこちらのが良いがPULSANTと比べるとハイが少しキンついたり、レンジが狭い印象。
特に音場の差が顕著で広がりや立体感に差を感じる。
デフォルトのコンセントが余り良くないのかPULSANTのコンセントにしてやるとかなり良くなる。
PC用にはOYAIDE R1が相性◯他コンセントはPULSANTの物と入れ替えた。
・OYAIDE R1
PCを繋ぐコンセント、R0と打って変わって少し寒色寄りの整った音調。
音場も広くR0より音像がコンパクトで立体的、低音も締り量感良く鳴りアタックが強い、蛇口を全開にしたような音。
・Synergistic Research:Designers Reference SQUARED MASTER COUPLER
PCの電源ケーブル、こちらはSynergistic ResearchのフラグシップモデルDesigners Referenceシリーズの最初期の製品。
フラグシップモデルの線材を二倍にした更に上位のモデルですが当時はSQUAREDと言う名称も無かったため小さく2と印字されています。
※便宜上、経路図にはSQUAREDと書いています。
最初期の製品のためSynergistic Researchではお馴染みのASも無くシンプルに太いケーブル。
音はウォームで量感に溢れた音調、柔らかく濃密な音が空間に満ちる。
重低音の余裕のある鳴り方が特徴的でフラグシップらしさを感じる堂々とした迫力のある音。
WF250に繋いだ場合やや暗い音色で好みと違ったためアチラにはDesigners Reference X2を採用、初期型はPCに採用となった。
・AIM電子:SHIELDIO UA3
PCとWF250を繋ぐUSBケーブル、ウォームかつ滑らかな音調。
非常にワイドレンジで音の密度が濃くS/Nが高い。
背景の黒さが際立つ静かな音、音場も奥行きがあり見通しが良い。
量が多いので一先ず箇条書きにしてみました。
ADX5000でテクノをいつでも気持ちよく聴けるように選んできたシステムですが、ここ最近は非常に満足感の高いシステムになりました。
もし「試してみようかな?」と検討している奇特な方がいるなら電源タップ(コンセント)から試すのがオススメですね。
壁コンセントの取り付けは資格が必要ですが電源タップであれば不要、500円程度と安価なコンセント(7110GD等)でも音の変化が大きく、簡単に出来るので最初に手を付けるにはうってつけ。
ケーブルならPS AUDIOのXPL MK2が初めてならオススメですね(PULSANTの写真にチラッと写ってます)。
このケーブルはとにかく迫力と躍動感が出るのが特徴で音の変化が大きくわかりやすいです。
初めてならこうゆう特徴的なケーブルで変化を楽しんでから癖が無くコスパの良いマルチョウエンジニアリングのラダーケーブルやCHIKUMAの電源ケーブルを揃えていくのがオススメですね。
家のシステムの場合コンセントの上流は帯域バランスが良い物、下流の機器側に近付くに連れて鳴り方が好きなコンセント。
ケーブルは機器側の最下流にハイエンド系のワイドレンジ、力感の強いケーブルを選び、後のケーブルはマルチョウやCHIKUMAのケーブルで音を引き締め整えています。
ケーブルやコンセント等は真っ先に"オカルト"と切って捨てられる部分ですが音に対する影響力を強く感じるため、試しもしないのは勿体なく思います。
たまにはオーディオ機器だけじゃなくケーブルやコンセント等をイジるのも意外と変化が大きくて面白いよ!と伝えたいですね。
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